「夕方になると足がパンパン」
「朝、顔がむくんで鏡を見るのが憂うつ」
「指輪がきつい、なんだか体が重い」
——30代を過ぎたころから、むくみが気になるようになっていませんか。むくみは見た目の印象も、その日の気分も左右する、女性にとって身近で切実な悩みですよね。
そして意外に思われるかもしれませんが、「水を控えているのに、むくむ」という方がとても多いんです。実は——水分を控えることが、かえってむくみを招いていることがあります。
この記事では、柔道整復師として15年、たくさんの体と向き合ってきた視点から、「飲まないほうがむくむ」理由と、むくみを防ぐ正しい水分の摂り方、夏のむくみ対策までやさしくお伝えします。
今日から、すっきり軽い体をめざしましょう。
そもそも、むくみはなぜ起こるの?
むくみとは、血管の外(細胞と細胞のあいだ)に余分な水分がたまった状態のこと。体の水分は、血管とそのまわりを行き来しながらめぐっていますが、このバランスが崩れると、水分が排出されずにたまってしまいます。主な引き金はこの3つです。
- めぐりの低下……長時間の立ちっぱなし・座りっぱなしで、ふくらはぎのポンプ作用が働かず、水分が下にたまる
- 塩分のとりすぎ……体は塩分濃度を一定に保とうとして、水分をため込む
- 水分不足……意外ですが、水が足りないと体は水分を手放すまいとして、かえってため込む
この3つ目「水分不足でむくむ」が、多くの方が見落としているポイントなんです。
「水を飲むとむくむ」は誤解|飲まないほうがむくむ理由
「むくむから水を控えている」という方は本当に多いのですが、これはむしろ逆効果になりやすいんです。
私たちの体は、水分が足りなくなると「これ以上失うまい」と危機を感じて、かえって体内に水分をため込もうとします。さらに水分が不足すると血液がドロドロになり、めぐりが悪くなって、余分な水分や老廃物が排出されにくくなります。つまり、水分不足のほうが、体はむくみやすくなるんですね。
逆に、水分をしっかり摂ると、めぐりがよくなって余分な水分や塩分が排出されやすくなり、むくみが解消されやすくなります。整骨院でも、「むくむから水を我慢していた」という方に、こまめな水分補給をおすすめすると、「体が軽くなった」「脚のだるさが楽になった」とおっしゃることが多いんですよ。

もちろん、一度に大量に飲んだり、寝る直前にがぶ飲みしたりすれば、一時的にむくむこともあります。大切なのは「量」より「摂り方」。次の章でくわしくお伝えしますね。
むくみを防ぐ、正しい水分の摂り方
私は、健康を支える土台のひとつが「食事」で、その食事を整える第一歩が“水分”と“タンパク質”だと考えています。特別なことを足す前に、まずこの2つを見直すだけで、体は驚くほど変わります。むくみ対策も、じつは水分の摂り方から始まるんです。
1日の目安は「体重×35ml」
成人の1日の水分摂取の目安は、体重1kgあたり約35ml。

体重50kgの方なら約1.75L、60kgの方なら約2.1Lが目安です(食事に含まれる水分は別として、飲み物からこのくらいを意識するイメージ)。「気づいたら今日ほとんど飲んでいない」という方は、まずここから見直してみてください。
コーヒーやお酒を飲んだ場合、飲んだ量をプラスで水分摂取することが大切。
一気にではなく「こまめに」
一度にたくさん飲むと、処理しきれずに一時的なむくみやトイレの近さにつながります。コップ1杯(150〜200ml)を、1日に何回かに分けて。起きてすぐ・食事のとき・入浴前後・のどが渇く前に、が目安です。
冷たい水より「常温」で
冷たい水は内臓を冷やし、めぐりを落としてむくみの一因になります。ふだんの水分補給は常温の水や白湯がおすすめ。とくに冷房で体が冷えやすい夏は、内側から冷やしすぎない工夫が大切です。
「お茶やコーヒーより水」が基本な理由
「水分補給はお茶やコーヒーでもいいの?」というご質問は、本当によくいただきます。
答えは、こまめな水分補給は水や白湯を基本に、です。緑茶・コーヒー・紅茶・エナジードリンクなどに含まれるカフェインには利尿作用があり、飲んだ水分が尿として出ていきやすいので、“水分補給”としてはあてにしにくいんです。
カフェイン飲料そのものが悪いわけではありませんが、こまめな補給は水・白湯・ノンカフェイン(麦茶・ルイボスティーなど)を中心に。コーヒーや緑茶は“楽しみの一杯”と分けて考えるのがおすすめです。カフェインのとりすぎは自律神経や睡眠にも影響するので、その点でもほどほどが安心ですよ。
そしてもうひとつの土台がタンパク質。血管の中に水分を保つ「アルブミン」というたんぱく質が不足すると、水分が血管の外にもれてむくみやすくなります。
むくみが気になる方は、水分と一緒にタンパク質もしっかり。忙しい朝や運動をしない方の摂り方は、運動なしの女性向けプロテインの選び方も参考にしてみてくださいね。
水分“以外”のむくみ対策
水分の摂り方を整えたら、あわせて次のケアも取り入れると、よりすっきりしやすくなります。
- 塩分を摂りすぎない+カリウムを味方に……塩分はため込みの元。余分な塩分の排出を助けるカリウム(バナナ・アボカド・ほうれん草・海藻・きゅうりなど)を意識して
- ふくらはぎを動かす……ふくらはぎは“第二の心臓”。かかとの上げ下げ、足首まわし、こまめに立って歩くだけでもめぐりが変わります
- 体を温める……冷えはめぐりの大敵。湯船につかる・薄着で冷やしすぎないなど、温める習慣を
「がんばっても痩せない・体が重い」が続く方は、めぐりや代謝そのものが落ちているサインかもしれません。
むくみと自律神経・睡眠の関係
むくみは、水分や塩分だけでなく「自律神経」とも関わっています。自律神経は血流や水分代謝をコントロールしているので、ストレスや睡眠不足でそのバランスが乱れると、めぐりが落ちてむくみやすくなるんです。とくに眠りが浅い日が続くと、体の回復もめぐりも追いつかなくなりがちです。
だからこそ、むくみ対策には「よく眠れる環境」も大切。自分に合った枕で首や肩の力がふっと抜けると、寝つきや眠りの深さが変わり、自律神経のリズムも整いやすくなります。枕が合わずに眠りが浅いと感じる方は、頭の形にやさしくフィットするMOGUの枕のような、体に負担の少ないものを選んでみてくださいね。眠りの質そのものが気になる方は、ガーミンの睡眠スコアが上がらない原因は姿勢と寝具にある|柔道整復師が解説もどうぞ。
夏のむくみに要注意|冷房冷えとめぐり
夏はむくみが強く出やすい季節です。暑さで汗をかくのに水分補給が追いつかず“かくれ水分不足”になりやすいうえ、冷房でお腹や脚が冷えてめぐりが落ちるから。「夏なのに脚がパンパン」という方は、この合わせ技が起きていることが多いんです。
対策は、常温の水をこまめに+体を冷やしすぎないこと。冷房対策には、お腹を温める工夫も効果的です(くわしくは夏の冷え対策とシルク腹巻で解説しています)。冷え性でお悩みの方は、冷え対策の第一歩としてシルクの腹巻をしてみるのもおすすめです。
こんなむくみは、一度受診を
むくみの多くは生活習慣によるものですが、なかには体のサインとして受診が必要なケースもあります。次のような場合は、自己判断せず医療機関で相談してください。
- 片脚だけが急にむくんで、痛みや熱っぽさがある
- 指で押すと跡がなかなか戻らない、強いむくみが続く
- 息切れ・急な体重増加・尿の量の変化をともなう
- 何日も引かない、だんだんひどくなる
「いつもと違う」と感じたら、無理をせず専門家に診てもらうのが安心です。
よくある質問
Q. 水分は1日どれくらい摂ればいいですか?
目安は体重×約35ml。体重50kgで約1.75L、60kgで約2.1Lです。一度にではなく、コップ1杯をこまめに分けて摂るのがポイントです。持病で水分制限がある方は主治医の指示を優先してください。
Q. 水分補給はお茶やコーヒーでもいいですか?
基本は水や白湯がおすすめです。緑茶・コーヒー・紅茶などのカフェイン飲料は利尿作用があり、水分が出ていきやすいので、水分補給としてはあてにしにくいんです。こまめな補給は水・白湯・麦茶などノンカフェインを中心にして、コーヒーやお茶は“楽しみの一杯”と分けて考えると良いですよ。
Q. 水の飲みすぎでもむくむと聞きました。本当?
短時間に大量に飲めば一時的にむくむことはあります。でも、こまめに適量を摂るぶんにはむしろむくみ解消につながります。「飲みすぎ」より「一気飲み」を避ける、と考えると分かりやすいですよ。
Q. 寝る前に水を飲むとむくみますか?
寝る直前のがぶ飲みは、翌朝の顔のむくみにつながることがあります。就寝の1〜2時間前までに、コップ1杯程度を目安に。日中にこまめに摂っておくと、夜にまとめて飲む必要がなくなりますよ。
Q. 夏だけむくみやすいのはなぜ?
汗で失う水分が増えるのに補給が追いつかず“かくれ水分不足”になりやすいこと、冷房で体が冷えてめぐりが落ちることが重なるためです。常温の水をこまめに、そして体を冷やしすぎないことが対策になります。
Q. 顔のむくみをすぐ取りたいときは?
朝の顔のむくみには、蒸しタオルとぬるま水で温冷を交互にする、首や鎖骨まわりをやさしくさする、白湯を飲むなどがおすすめです。ただし根本対策は日ごろの水分・塩分・めぐりの見直しにあります。
まとめ
むくみ対策のポイントを、最後におさらいしますね。
- 「水を飲むとむくむ」は誤解。水分不足のほうが、体は水分をため込んでむくみやすい
- 食事を整える第一歩は“水分”と“タンパク質”。目安は体重×35mlを、常温でこまめに
- タンパク質不足もむくみの一因(アルブミン)。水分と一緒にしっかり摂る
- 塩分は控えめに+カリウム食材、ふくらはぎを動かす、体を温める
- 夏は“かくれ水分不足×冷房冷え”に注意。片脚だけ・急・痛みをともなうむくみは受診を
むくみは、体からの「めぐりが滞っているよ」というサイン。水分の摂り方を少し見直すだけで、脚も顔も、そして気分もすっと軽くなります。すっきりした毎日で、鏡を見るのが楽しみになりますように。


コメント