肉離れと筋肉痛の見分け方|症状・重症度の自己チェックを柔道整復師が解説

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肉離れと筋肉痛の見分け方・症状・重症度を柔道整復師が解説する記事のアイキャッチ 姿勢・痛み

「運動中にピキッと痛めたけど、これって肉離れ?それともただの筋肉痛?」
「少し痛いけど病院に行くほどまではないかな・・?」

——自分では見分けがつかず、不安になりますよね。

痛くて力が入らない、張りがなかなか取れない、踏ん張る瞬間に痛い…そんなときは、肉離れ、もしくはその前兆かもしれません。

痛いけど動ける、これが一番危険です。
そのまま仕事やスポーツを継続して、「力が入りづらくなってきた・・」と、結果悪化してから医療機関を受診する。そこで運動を休むようにいわれてしまう。このパターンが実際に非常に多いです。

痛くなっていかに早く適切な対応をするかで、回復のスピードは大きく変わります

柔道整復師として15年、肉離れの患者さんを数多く診てきました。実は肉離れと筋肉痛は、痛みの「出方」や、関節の「角度」を使ったセルフチェックで、かなり見分けがつくんです。この記事では、症状の違い・部位別の特徴・重症度の自己チェックまで、分かりやすく解説します。

※すでに肉離れと分かっていて治し方を知りたい方は、肉離れの治し方|応急処置・全治までの期間へどうぞ。

肉離れとは?|「筋肉はソーセージ」でイメージする

肉離れは、筋肉(筋繊維)が部分的または完全に断裂した状態で、正式には「筋挫傷(きんざしょう)」といいます。スポーツ中の急激な動作で、筋膜や筋繊維が損傷・断裂して起こります。

少しイメージしにくいので、私はいつもこう説明しています。

筋肉は”ソーセージ”のようなつくりで、中身(身)を膜が覆っています。
肉離れは、その身と膜が離れてしまった状態

だから力が入りづらくなるんです。

※ポイント:痛いけれど力が左右差なく入る場合は、肉離れの一歩手前の「筋膜炎」(表面の膜だけの損傷)でとどまっていることが多いです。なお、身と膜が離れている状態で患部をストレッチすると、さらに引き離して悪化させることがあるので、伸ばすと痛むうちは患部のストレッチは禁止ですよ。

筋肉をソーセージにたとえ、正常・筋膜炎・肉離れで身と膜がどう離れるかを比較した図解

肉離れと筋肉痛の見分け方|5つのポイント

軽症の肉離れと筋肉痛は、自分では違いが分かりづらく、筋肉痛だと思って運動を続けて悪化させるケースが本当に多いんです。次の5つで見分けましょう。当てはまる項目が多いほど、肉離れの可能性が高いと考えてください。

ポイント肉離れ(筋挫傷)筋肉痛
損傷の程度筋膜・筋繊維が裂ける(深い損傷)筋繊維の細かな傷(回復過程の痛み)
痛みの出方運動中に急に「ブチッ」「ピキッ」運動後、数時間〜翌日にじわじわ
痛みの範囲一点が強く痛む筋肉全体が張る・重だるい
持続時間短時間では消えない数日で自然に軽くなる
外見の変化くぼみ・内出血(あざ)が出ることも見た目の変化はほぼない

※あくまで見分けの目安です。外見の変化が出るほどの肉離れは中等症以上のことが多く、強い痛みを伴います。迷う・痛みが強い場合は受診を。

こむら返り(筋けいれん)との違い

ふくらはぎでは「こむら返り」とも間違えやすいです。こむら返りは筋肉が一時的にけいれんする状態で、数十秒〜数分で治まり後に残らないのが一般的。一方、肉離れは損傷なので、けいれんが治まっても痛みが続き、押すと痛いのが見分けるポイントです。

部位別の特徴と好発部位|「後ろ・前・内」の順で要注意

肉離れは、強い力がかかる下半身の大きな筋肉で起こりやすいです。とくに太ももは、①ハムストリングス(後ろ)→②大腿四頭筋(前)→③内転筋(内)の順で予後が悪い(治りにくい)といわれます。「後ろ・前・内」の順で要注意、と覚えておきましょう。

  • 太もも裏(ハムストリングス)……最も多く、治りにくい。ダッシュ・キックで受傷。前かがみや脚を上げる動作で痛む。
  • ふくらはぎ(腓腹筋)……ジャンプ・踏み込みで。つま先立ち・歩行で痛む。こむら返りと間違えやすい。
  • 太もも前(大腿四頭筋)……ダッシュやキックの蹴り脚に。膝の曲げ伸ばしで痛む。
  • その他(内転筋・おしり・背中など)……頻度は低いが急な動作で起こることも。

肉離れの原因|なぜ筋肉が切れるのか

肉離れは、筋肉が急激に収縮しながら同時に強く引き伸ばされる動作で起こります。背景に「切れやすい状態」が隠れていることも多いんです。

  • ダッシュ・切り返し・ジャンプなどの強い動作
  • 準備運動(ウォームアップ)不足、冷えた筋肉のまま動く
  • 筋肉疲労の蓄積・柔軟性の低下
  • 加齢による筋肉・腱の質の変化
  • 水分不足・寒い環境

サッカー・陸上・テニスなど、ストップ&ダッシュの多いスポーツで好発します。

◎ランニングを楽しむ方へ:原因のひとつ「筋疲労の蓄積」は、自分では気づきにくいもの。日頃からガーミンのHRVステータストレーニングステータスで疲労やコンディションを”見える化”しておくと、無理をしやすいタイミングに気づけて、肉離れの予防に役立ちます。(あくまで疲労・回復の目安で、ケガを完全に防げるわけではありません)

肉離れの重症度|自分でできるセルフチェック

肉離れは損傷の程度で3段階に分かれ、回復期間

も変わります。重症度は主に①ストレッチ時の痛みと関節の角度、②動作テスト、③MRI検査で判断します。ここでは、ご家庭でできる「ストレッチ時の痛みと角度」による目安を紹介します。

重症度状態治療期間の目安
Ⅰ度(軽度)筋繊維の微細損傷約1〜2週間
Ⅱ度(中等度)筋繊維の部分断裂約4週間〜2か月
Ⅲ度(重度)筋繊維の完全断裂約3〜6か月(手術の場合も)

ストレッチ時の痛み・角度による目安(部位別)

  • ふくらはぎ……軽度=ストレッチ痛が軽い/中等度=膝を曲げていれば痛みが軽い/重度=膝を曲げても痛む・つま先立ちができない
  • ハムストリングス(太もも裏)……仰向けで脚をまっすぐ挙げ、軽度=70度以上/中等度=30〜70度/重度=30度以下
  • 大腿四頭筋(太もも前)……うつ伏せで膝を曲げ、軽度=90度以上/中等度=45〜90度/重度=45度以下
ハムストリングスと大腿四頭筋のストレッチ角度で肉離れの重症度(軽度・中等度・重度)を自己チェックする方法を示した図解
配置

◎ポイント:脚や膝は自分で動かさず、誰かに動かしてもらってチェックしてください。厳密にはストレッチ痛に加えて「筋収縮力」もあわせて判断します。あくまで目安なので、正確な診断は医療機関で受けましょう。

MRI検査での診断と費用

最も正確なのはMRI検査です。結果は「奥脇の分類」でⅠ型(出血のみ・軽症)/Ⅱ型(腱膜損傷・中等症)/Ⅲ型(腱性部断裂や付着部の引き抜け・重症で手術の場合も)に分けられます。費用は3割負担で約6,000〜15,000円前後(機械の性能で幅があります)。重症度の自己判断は難しいので、迷ったら受診して正確に診断してもらいましょう。

「痛いけど歩ける」を放っておくとどうなる?

「痛いけど歩けるから大丈夫」と脚を引きずって動き続けると、治療期間が長引きやすく、大げさに見えても痛みが強いときは松葉杖などで患部に痛みを出さないことが早期回復のポイントです。放置すると、こんなリスクがあります。

  • 再発しやすくなる……柔軟性の低い瘢痕(はんこん)組織ができ、筋肉が硬く痛めやすくなる
  • 新たな怪我の要因に……筋肉のバランスが崩れ、他の部位の負担が増える
  • パフォーマンス低下……血腫が残ったまま復帰すると、筋出力・伸張性が落ちる
  • 疲れやすくなる……瘢痕組織で筋収縮がスムーズにいかず、同じ運動量でも疲労感が強くなる
  • 血腫(しこり)の形成……出血が筋組織内で固まり、しこりとして残ることがある

とくに歩けないほど痛い・はっきりしたくぼみがある・しびれを伴う場合は、迷わず整形外科を受診してください。早めの正しい対処が、結局いちばんの近道です。

よくある質問

Q. 軽い肉離れと筋肉痛はどう見分けますか?

「動作の瞬間に痛めた」「一点が鋭く痛む」「数日たっても引かない」「力が入りにくい」なら肉離れの可能性があります。筋肉痛は全体が張り、数日で自然に軽くなります。迷うときは無理に動かさず、痛みが続けば受診しましょう。

Q. 肉離れは何科を受診すればいいですか?

基本は整形外科です。MRIなどの画像検査で重症度を正確に診断してもらえます。応急処置やリハビリは整骨院でのケアと組み合わせる方も多いです。
中には、超音波(エコー)検査で診断される整形外科もあります。超音波検査のほうが検査時間も短く、MRI検査より安価になります。

Q. 肉離れはどこが痛くなりやすいですか?

太もも裏(ハムストリングス)とふくらはぎが特に多く、太もも裏は治りにくい部位です。次いで太もも前。ダッシュやジャンプの多い動きで起こりやすくなります。

まとめ|まずは「見分けて、正しく対処」

  • 肉離れ=筋肉の「身と膜が離れた」状態。力が入りづらいのが特徴
  • 見分けは「急にピキッ・一点・引かない・くぼみ」。当てはまれば肉離れの可能性
  • 重症度はストレッチ痛+関節角度でセルフチェック(正確にはMRI)
  • 太ももは後ろ・前・内の順で治りにくい
  • 「痛いけど歩ける」も歩かない。歩けない・くぼみ・しびれは整形外科へ

「これは肉離れかも」と思ったら、次は対処です。応急処置(RICE)から全治までの期間、早く治すコツは肉離れの治し方|応急処置・全治までの期間でくわしく解説しています。正しく見分けて、正しく対処していきましょうね。

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