「肩こりがひどくて頭痛が出る」
「首がつらくて仕事に集中できない」
「枕を変えても改善しない」
そんな悩みはありませんか?
実はその不調は、巻き肩が原因になっている可能性があります。
巻き肩になると首や肩の筋肉が常に引っ張られ、特に後頭部の筋肉(後頭下筋群)が緊張しやすくなります。
この状態が続くと、
・慢性的な肩こり
・後頭部の頭痛
・眼精疲労
といった不調につながります。
この記事では、
・巻き肩と頭痛が起こる原因
・自分でできるチェック方法
・改善につながるセルフケア
を、専門的な視点からわかりやすく解説します。

肩こりは多くの人が悩む代表的な症状
実際に、厚生労働省の調査では、
肩こりは女性・男性どちらでも腰痛に次ぐ2位と、非常に多い症状とされています。
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa22/dl/14.pdf
※厚生労働省による国民生活基礎調査2022年より引用
このように、肩こりは多くの人が抱える身近な不調です。
そしてその原因のひとつとして見落とされがちなのが「巻き肩」です。
巻き肩とは?どんな状態かをわかりやすく解説
巻き肩とは、肩が内側に巻き込まれた状態のことを指します。
胸の筋肉が縮み、肩甲骨が外に開くことで、自然と肩が前に出やすくなります。
この状態は、猫背やストレートネックとも深く関係しており、姿勢全体の崩れにつながります。
巻き肩になる原因|なぜ肩が内側に巻き込むのか
姿勢のクセによる影響
巻き肩の主な原因は、日常生活での姿勢のクセです。
・スマホを長時間見る
・パソコン作業が多い
・前かがみの姿勢が続く
こうした状態が続くことで、胸の筋肉は縮み、背中の筋肉はうまく使われなくなります。
その結果、肩甲骨が外に開き、肩が前に引き出される状態が定着してしまいます。
腹圧の低下と体幹の不安定性
さらに見落とされがちなのが、「腹圧の低下」です。
臨床でも非常に当てはまる方が多いです。
実は、巻き肩は体幹の安定性とも大きく関係しています。
お腹まわりの筋肉(腹横筋など)が弱くなり腹圧が低下すると、背骨を支える力が弱くなり、姿勢そのものが崩れやすくなります。
体幹が不安定になると、
・背中で支えられなくなる
・肩が前に入りやすくなる
・首や肩の筋肉で無理に支える
といった代償が起こり、巻き肩が定着しやすくなります。
産後や反り腰との関係
特に女性の場合、産後は腹筋が弱くなりやすい時期です。
妊娠中に腹直筋が左右に離れる「腹直筋離開」が起こることもあり、体幹の安定性が低下することで姿勢バランスが崩れやすくなります。
そのため、
・巻き肩
・反り腰
が同時に起きているケースも少なくありません。
呼吸の浅さとの関係
また、肋骨の動きが悪くなることで呼吸も浅くなり、体は常に緊張しやすい状態になります。
呼吸が浅い状態が続くと、筋肉の緊張が抜けにくくなり、巻き肩の改善も難しくなります。
呼吸が浅い状態は自律神経の乱れにもつながります。
→ 呼吸が浅いかのセルフチェックや原因、改善方法はこちらの記事で解説しております
👉️呼吸が浅いのはなぜ?セルフチェックと原因、自律神経・睡眠との関係を解説
巻き肩が頭痛・首こりを引き起こす理由
巻き肩になると、首から肩にかけての筋肉が常に引っ張られます。
特に重要なのが「後頭下筋群」です。
頭痛を引き起こす神経(大後頭神経)が後頭下筋群の間を通っているのがわかる図
※河上敬介著 骨格筋の形と触察法 改訂第2版 大峰閣 2013.4.より引用
Amazon.co.jp: 骨格筋の形と触察法 改訂第2版 : 河上 敬介, 礒貝 香: 本Amazon.co.jp: 骨格筋の形と触察法 改訂第2版 : 河上 敬介, 礒貝 香: 本
この筋肉は目の動きとも関係しており、スマホやパソコン作業によって負担がかかりやすい部位です。
後頭下筋群は、眼のピント調節の役割もある。
デスクワークや眼精疲労を感じる方は、負担がかかっている可能性が高い。
また、頭痛に関わる神経(大後頭神経)がこの筋肉の間を通っています。
そのため、
・筋肉の緊張
・神経への刺激
が重なることで、後頭部の頭痛が起こりやすくなります。
また、枕が合っていないと首の負担はさらに強くなります。
→ 朝起きたらつらい首・肩こりの方への枕の選び方はこちら
巻き肩を放置するとどうなるか
巻き肩をそのままにしておくと、
・肩こりの慢性化
・頭痛の頻度増加
・集中力の低下
といった状態につながることがあります。
「なんとなく不調が続く」という状態を抜け出すためにも、早めの対策が重要です。

巻き肩セルフチェック|自分の状態を確認する方法
以下のチェックで、自分の状態を確認してみてください。
- 鏡で見たときに耳の位置が肩より前に出ている
- 壁に背をつけたとき、後頭部や肩が自然につかない
- 仰向けで寝たときに肩が床から浮く
- バンザイをしても腕が耳につかない
1つでも当てはまる場合は、巻き肩の可能性があります。
巻き肩を改善するストレッチ&エクササイズ(寝ながらもOK)
チンイン(顎引き体操)
「チンイン」は首のエクササイズ。「チン」=顎(あご) 「イン」→引く で”顎引き体操”です。
- 顎を後ろに引いて5–10秒キープ
- 指で顎位置を確認しながら調整


分かりにくいときは顎に指を当て、顎を後方に引くことで指から距離をとってみると良いでしょう。
※「水平に」引くことがポイント。より簡単な方法は寝てやる方法はコチラ↓

枕に頭をおいて仰向けになり、顎を引き、後頭部を枕に押し付ける。その状態で5~10秒間保持し、力を抜く。
肘丸体操|座ったままOK
手を肩に置き、肘を大きく回します。
肩甲骨の動きを改善し、巻き肩の改善につながります。

<効果を高めるポイント>
- 肘を上と後ろにできるだけ大きく動かす
- 痛みが出ない範囲で無理なく動かす
- 手は肩につける
キャットバック|背中の柔軟性と腹圧UP
キャットバックは、ヨガの「キャット・カウ(猫→牛)」の動きをベースにした、
背中と肩周りのこりをほぐすエクササイズです。
日常生活で固まりがちな背骨や肩甲骨回りを動かし、巻き肩の予防にも効果的。
息を合わせてゆっくり動くことで、心と体両方の緊張をやさしく解きほぐします。
◯手順(8~10回を目安に)
- まずは四つん這いに
手は肩幅、膝は腰幅に開き、手首と膝が一直線になるようにセット。まっすぐな背骨を意識して準備します。 - 息を吸って“カウ”(Cow)ポーズ
お腹をゆったり落とし、胸を前に開き、肩甲骨を寄せながら視線は前方へ。背中全体が反るように弧を描きます 。 - 息を吐きながら“キャット”(Cat)ポーズ
背中を丸めて天井方向へ引き上げ、あごを軽く引いてお腹を内側に引き締めます。尾骨もゆっくり引き込み、背骨全体を波のように動かすイメージで 。 - 呼吸に合わせて繰り返す
「吸う→カウ」「吐く→キャット」をゆっくり8〜10セット。背骨が一つひとつ動くのを感じながら、終わったら自然な姿勢に戻します。
特に背中が伸び切ってしまって丸くなれない方の肩は特に筋肉が硬いです。こういった方は
「腹式呼吸が苦手」「呼吸が浅い」「睡眠が浅い」「仰向けで寝ると腰が痛い」といった症状持つ方が多い。
体幹から整えたい方はピラティスも効果的です。
→ 自宅でできるピラティスはこちらの記事で解説しております
👉️ピラティス初心者はまずこれ!自宅でできる簡単エクササイズ5選【巻き肩・反り腰対策】
なかなか改善しない人の共通点
ストレッチをしても改善しない場合、原因は一つではない可能性があります。
特に多いのが、
・呼吸が浅い
・寝ている間の姿勢が崩れている
といったケースです。
巻き肩の方は、実は反り腰を併発しているケースも少なくありません。
体幹が不安定になることで姿勢のバランスが崩れ、寝ている間も腰や肩に負担がかかり続けてしまいます。
その結果、「しっかり寝ても疲れが取れない」という状態につながることもあります。
👉️反り腰や巻き肩の人に合うマットレスの見つけ方はこちら
まとめ
巻き肩は見た目の問題だけでなく、頭痛や首こりの原因にもなります。
特に後頭下筋群の緊張は頭痛と深く関係しており、放置すると慢性的な不調につながることもあります。
まずは自分の状態をチェックし、できる範囲でセルフケアを取り入れてみてください。
呼吸や睡眠環境も含めて整えていくことで、より改善しやすくなります。




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