「最近、顔がたるんできた気がする」
「フェイシャルマッサージに通っているのに、なかなか変わらない」
「スキンケアを変えても、鏡を見るとほうれい線が気になる」
顔のたるみは、ゆっくりと少しずつ進むから、いつ始まったかも分からないまま「気づいたらこうなっていた」ということが多いんですよね。
整骨院でも、「顔のたるみが気になって」と相談にいらっしゃる方が増えています。そういった方に共通して見られることがあります。それが「姿勢の崩れ」、とくに巻き肩と猫背です。
そして実は、反り腰が顔のたるみへ影響する場合もあります。
顔のたるみは、顔の外側だけの問題ではありません。
柔道整復師として15年・延べ10万人以上の体を診てきた経験から、顔のたるみが起きる仕組みと、姿勢からアプローチする改善法をお伝えします。

顔のたるみはなぜ起きるのか|3つの視点から
「顔のたるみ=加齢」と思われがちですが、原因はひとつではありません。柔道整復師の視点から、3つの角度でお伝えします。
①筋肉・組織の変化
加齢とともにコラーゲンが減少し、肌のハリが失われていくのは事実です。また、表情筋や筋膜が衰えることで、皮膚や脂肪を支える力が弱まります。
ただし、これは「加齢だから仕方ない」で終わる話ではありません。外側のスキンケアや美容施術だけでは変わりにくい理由が、②と③にあります。
②水分・巡りの低下
「水を飲むとむくむから控えている」という方、実は逆効果です。
整骨院でも同じ話をよくお伝えするのですが、水分が不足すると、体は逆に水分を溜め込もうとします。その結果、血液がドロドロになり、リンパの流れが滞り、老廃物が顔まわりに蓄積しやすくなります。
これが顔のむくみ・くすみ・たるみとして現れてくるんです。水を飲まない方が、むくみは悪化するんですね。
適切な水分摂取(体重×35ml/日が目安)で血流・リンパの流れが改善されると、顔のむくみが取れてフェイスラインがすっきりしやすくなります。
③姿勢の崩れ
そして、整骨院の臨床で最も多く見られる原因がこれです。
巻き肩や猫背になると頭が前に出て、首から顎・頬にかけての筋肉が常に下方へ引っ張られた状態になります。筋肉も皮膚も重力に負けやすくなり、少しずつたるみが進んでいきます。
さらに重要なのが②との連鎖です。巻き肩になると胸郭(肋骨と胸骨で囲まれた箱)が縮み、首まわりのリンパや血管が圧迫されます。つまり、姿勢が崩れると水分の巡りも悪くなるんです。
②水分の巡りと③姿勢の崩れは、実は切り離せない関係にあります。このつながりが、顔のたるみを進めるひとつの大きな正体です。

なぜマッサージや化粧品だけでは変わりにくいのか
「毎日マッサージしているのに、なぜすぐ戻るんですか?」
整骨院でよく聞かれます。答えはシンプルです。
顔の外側のケアは「対症療法」で、根本の原因にアプローチできていないからです。
朝マッサージしても、日中の姿勢が崩れたままなら——また顔が下に引っ張られます。夜に美顔器を使っても、睡眠中の姿勢が悪いなら——朝にはまたむくみが戻ります。
化粧品やマッサージは悪くありません。ただ、それだけでは毎日新しいたるみの原因を作り続けながらケアしているようなもの。根本にある「水分の巡り」と「姿勢」から整えることで、はじめて顔のたるみに変化が出始めます。
顔のたるみと巻き肩・猫背の関係|整骨院が見ている視点
「顔のたるみと肩って、関係あるの?」と最初は驚かれる方が多いです。でも整骨院で顔のたるみを相談された方を見ると、ほぼ例外なく巻き肩・猫背があります。
頭の重さが顔を引き下げる
頭の重さは体重60kgの方で約5kg前後。ボーリングの球くらいの重さです。これが体の真上にあれば負担は最小限ですが、巻き肩・猫背で頭が前に出ると、首・顎・頬への負担が一気に増します。
デスクワークで姿勢不良の場合、本来約5kg程の頭の重みが、4〜5倍の20〜25kg程の重みとなって、首や背中へ負担をかけることになります。
常に下方へ引っ張られる力がかかり続けることで、筋肉・皮膚・脂肪が少しずつ下垂します。これがほうれい線の深化・フェイスラインのもたつき・二重あごにつながるんです。

胸郭が縮む→リンパが滞る→顔がたるむ
巻き肩になると胸の前側が縮み、胸郭が圧迫されます。首の前を通るリンパ管・静脈が圧迫されて流れが滞ると、老廃物や余分な水分が顔まわりに溜まりやすくなります。
朝起きたときに顔がパンパンにむくんでいる、夕方になるとフェイスラインがぼやける——こういった方は、巻き肩によるリンパの滞りが関係していることが多いです。
猫背も同時に起こっていることが多い
巻き肩と猫背はセットで起こることがほとんどです。猫背になると背中が丸まり、頭がさらに前に出ます。すると首への負担はより大きくなり、顔のたるみへの影響も強まります。
整骨院で「最近老けて見えると言われた」「顔が疲れて見える」という相談をいただくとき、ほぼ必ずと言っていいほど巻き肩・猫背がセットで見られます。
ヘッドダウン・スマホネック・リブフレアとの連鎖
スマホネックやストレートネックの方は「ヘッドダウン」と呼ばれる状態、つまり頭が慢性的に前に出た姿勢が定着しています。この状態では巻き肩・猫背がさらに固定されやすくなり、顔のたるみへの影響が強まります。
そしてもうひとつ見落とされがちな要因がリブフレア(肋骨の開き)です。肋骨が外側に広がった状態では腹圧(体幹を支える内側の圧力)が抜けやすくなります。腹圧が低下すると体幹が不安定になり、頭を前に出してバランスを取るようになります。これがヘッドダウンをさらに強め、顔のたるみを助長します。
お腹がぽっこりしている・肋骨が左右に広がって見える方は、リブフレアがヘッドダウンと顔のたるみの背景にある可能性があります。リブフレアについてはリブフレアとは?肋骨が開く原因・セルフチェック・今日からできる改善法で詳しく解説しています。
顔のたるみ・姿勢セルフチェック
ご自身の状態を確認してみましょう。鏡の前で順番にチェックしてみてください。
顔のたるみセルフチェック
- 左右のほうれい線の深さが違う
- 朝と夕方でフェイスラインが変わる
- 朝起きると顔がむくんでいる
- 笑ったとき頬の肉が下がって見える
- 写真を見ると実年齢より老けて見える

姿勢セルフチェック
壁立ちチェック:壁を背に立ち、かかと・お尻・肩甲骨・後頭部の4点が自然につくか確認します。後頭部が壁につかない、または顎が上がってしまう場合は頭が前に出ている可能性があります。
手の向きチェック:リラックスして立ったとき、両手を自然に下ろします。手の甲が前を向いていたら巻き肩のサインです。正常は手の甲が真横(外側)を向いています。
横向きシルエットチェック:姿見の前で横を向いてみます。耳・肩・骨盤・くるぶしが一直線にあれば正常。耳が肩より前に出ていたら前傾姿勢です。
顔のたるみと姿勢のチェックで両方当てはまるものがあった方は、姿勢からのアプローチが効果的な可能性が高いです。
顔のたるみを進める日常のNG習慣
毎日の何気ない習慣が、顔のたるみを進めていることがあります。整骨院で確認する主なNG習慣を挙げます。
スマホを下向きで長時間見る(スマホネック・ストレートネック)
スマホを見るとき、自然と頭が下に傾きます。この「スマホネック」の状態は首への負担が通常の3〜5倍に増えるとされています。スマホネックが続くとストレートネック(頸椎のカーブが失われた状態)になりやすく、慢性的な「ヘッドダウン(頭が前に出た姿勢)」が定着します。
ヘッドダウンは顔のたるみを加速させる大きな要因のひとつです。顎が前に出て首の筋肉が常に引き伸ばされた状態になり、顔の引き上げ力が弱まります。心当たりがある方は、スマホを目の高さまで持ち上げる・視線の先にスマホを置くことを意識してみてください。
水分を控えすぎている
「むくむから水を飲まない」という方は、むしろたるみとむくみを悪化させている可能性があります。水分不足は血流・リンパを滞らせ、老廃物の排出を妨げます。1日の目安は体重×35ml。体重50kgなら1,750ml程度です。
いつも同じ側で頬杖をつく・横向き寝をする
片側に偏った習慣は、顔の左右非対称を進めます。頬杖は顎関節・頬の筋肉に偏った圧をかけ続けます。同じ側の横向き寝は、枕の当たる側の顔に長時間圧がかかってフェイスラインが崩れやすくなります。
特にNGなのがうつ伏せ寝です。
顔が枕に押しつけられたまま7〜8時間過ごすことになり、顔全体にかかる圧力と左右のゆがみが顔のたるみを直接進めます。また「スパイダーマン寝」と呼ばれる、うつ伏せで片腕・片足を横に開いた姿勢も同様です。
首が長時間ひねられた状態になり、顎・頬・首のラインへのダメージが大きくなります。寝姿勢とフェイスラインの関係については顎関節症の人がやってはいけない寝方と枕の選び方でも詳しく解説しています。

表情を動かさない時間が長い
在宅ワークや一人で過ごす時間が増えると、表情筋を使う機会が減ります。表情筋は使わないと衰え、顔の引き上げ力が落ちます。意識して声に出す・笑う機会を作ることも大切です。
顔のたるみ改善セルフケア|姿勢・水分・リンパを整える
整骨院でお伝えしている内容を、自宅でできる形にまとめました。顔への直接ケアの前に、この3つを土台にすることで変化が出やすくなります。
ケア①|水分をこまめに摂る
まず今日からできることは、水分補給を意識することです。一度にたくさん飲むのではなく、コップ1杯ずつをこまめに。寝る前・起きた直後・食事前後を目安に習慣化すると続けやすいです。
血流・リンパの流れが改善されると、朝のむくみが取れてフェイスラインがすっきりしてきます。
ケア②|胸郭を開くストレッチ(ストレッチポール)
巻き肩・猫背の根本にある「胸郭の縮み」を解放します。
整骨院で多くの方に取り入れていただいて再現性が高いのが、ストレッチポールを使ったセルフケアです。ポールの上に仰向けで寝るだけで、胸郭が自然に広がり、呼吸が深くなります。続けることで巻き肩・猫背が改善され、首・顎への引っ張りが弱まっていきます。
1日5〜10分。毎日続けることが大切です。
ケア③|首・顎ラインのリンパマッサージ
顔のたるみに直結するリンパの出口は、耳の後ろ〜鎖骨のラインです。ここを優しく流すだけで、顔まわりの老廃物が排出されやすくなります。
- 耳の後ろを指3本で優しく10回円を描く
- 耳の下から鎖骨に向かって優しくなでおろす(10回)
- 顎の下から耳の下に向かって押し上げるように流す(10回)
強く押さないこと。「気持ちいい」と感じる優しい力で、毎日続けることが大切です。
巻き肩の本格的な改善については、こちらの記事もご覧ください。
睡眠中の姿勢が翌朝の顔を決める|マットレス・枕の選び方
日中のケアと同じくらい大切なのが、睡眠中の姿勢です。7〜8時間という長い時間、寝姿勢が崩れていると、日中いくら整えてもまたリセットされてしまいます。
朝の顔のむくみ・たるみは夜つくられる
体に合わないマットレスで寝ると、寝返りが少なくなり、同じ姿勢で固まったまま朝を迎えます。その間ずっと首・顎・顔周りに緊張が残ったままになり、朝のむくみ・フェイスラインのぼやけが起きやすくなります。
体に合ったマットレスは自然な寝返りをサポートします。寝返りが適切に打てると夜間の姿勢の固定化が防げ、朝のリンパ・血流の流れが大きく変わります。
NELLマットレスは120日間のトライアル付き。合わなければ返金可能なので、まず試してみることができます。
枕の高さとフェイスラインの関係
枕が高すぎると頚椎が前傾固定になり、夜間も巻き肩・前傾姿勢の状態が続きます。低すぎると頭が後ろに傾き、別の緊張が生まれます。
首のカーブに合った高さで、寝返りを妨げない適度な硬さの枕を選ぶことが、朝のフェイスラインを整えることにつながります。ビーズ素材で形が変わりやすいMOGU枕は、高さ調整がしやすく首のカーブにフィットしやすいです。
フェイスラインケアグッズ|姿勢のベースを作った上で使う
姿勢と水分の土台を作った上で、フェイスラインケアのグッズを取り入れると相乗効果が出やすくなります。
ReFa CARAT RAY|L字型ローラーで顎・首ラインのケアを習慣に
L字型に配置された2つのローラーヘッドが顎・頬・首のラインに沿わせやすく、ソーラーパネル駆動のマイクロカレントを搭載。入浴後の習慣として取り入れやすいサイズ感です。
下から上に向かって優しく転がすことで、リンパの流れを促しながら顔周りのケアができます。姿勢を整えた上で使うことで、変化を感じやすくなります。
本格的なケアを求める方へ|セルキュア4T plus
私が施術で使用しているのはセルキュア4T plusという業務用マイクロカレント機器です。受けた方の多くが「その場でリフトアップを感じた」とおっしゃいます。
エステや小顔矯正に月¥1万以上かけている方で本格的に自宅ケアしたい場合は検討の価値があります。まずセルフケアから始めたい方にはReFa、本格的な投資ができる方にはセルキュア4T plusというのが私のおすすめです。
よくある質問
Q. 姿勢を整えると顔のたるみは本当に変わりますか?
整骨院で巻き肩・猫背を整えていくと、フェイスラインや顔色・朝のむくみに変化を感じる方が多いです。ただし即効性はなく、姿勢が定着するまで2〜3ヶ月、そこから顔の変化を実感するまでさらに時間がかかります。継続することが大切です。
Q. 水分をたくさん飲むとむくみませんか?
適切な量の水分摂取は、むくみを悪化させません。むしろ水分不足の方が、体が水分を溜め込もうとしてむくみやすくなります。一度に大量に飲むのではなく、こまめに少量ずつ飲むことが大切です。ただし腎臓・心臓など疾患がある方は医師に相談してください。
Q. 猫背と巻き肩、どちらから先に改善すればいいですか?
同時に取り組むのが正解です。猫背と巻き肩はセットで起きているため、片方だけ整えても他方が引っ張り合います。ストレッチポールを使った胸郭のセルフケアは、巻き肩と猫背の両方に同時にアプローチできるので、まず1つ取り入れるとすればこれがおすすめです。
Q. 何ヶ月くらいで顔の変化が出ますか?
個人差はありますが、毎日続けて2〜3ヶ月で「朝のむくみが減った」「顔色が明るくなった」と感じる方が多いです。フェイスラインの輪郭そのものが変わるにはさらに時間がかかります。姿勢のクセは長年かけてできたもの。改善にも一定の時間を見ておきましょう。
Q. 美容医療(ボトックス・ヒアルロン酸)との違いは?
美容医療は即効性がありますが、姿勢由来のたるみは根本に手を打たないと繰り返しやすいです。「特別なイベント前に」なら美容医療、長期的に顔の老化を進ませたくないなら姿勢から整える——という使い分けが現実的です。整骨院でも美容医療と姿勢ケアを並行される方は多いです。
まとめ|顔のたるみ改善は「顔の外」ではなく「根本」から
- 顔のたるみの原因は「筋肉・組織の変化」「水分・巡りの低下」「姿勢の崩れ」の3つ
- 水を飲まない方がむくみ・たるみが悪化する(逆説)
- 巻き肩・猫背は頭を前に出し、顔を下方に引き続ける
- 胸郭が縮むとリンパが滞り、顔のむくみ・たるみが悪化する
- マッサージや化粧品だけでは根本の原因に届かない
- 改善の土台は「水分補給」「胸郭ストレッチ」「リンパマッサージ」
- 睡眠中の姿勢(マットレス・枕)が朝のフェイスラインを決める
整骨院で顔のたるみを相談にいらっしゃる方が、姿勢と水分を意識するだけで「朝の顔が変わった」「むくみが減った」とおっしゃることが本当に多いです。顔の外側だけでなく、体の内側・姿勢という根っこから整えていくことで、はじめて変化が出てきます。
今日からできることは小さくていい。まずは水分補給と、1日1回の胸を開くストレッチから始めてみてください。
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