「肩こりが治らない」
「いつも疲れている」
「気分が落ち込みやすい」
このような不調が続いている方は、“呼吸が浅くなっている” 可能性があります。
浅い呼吸は、自律神経のバランスが乱れやすく、
✔ ストレスに弱くなる
✔ ぐっすり眠れない
✔ 朝からだるい
✔ 首肩こり・頭痛が慢性化
といった不調につながります。
しかも呼吸は、私たちが 1日に約2万回以上 行う生命活動。
呼吸が浅いということは、2万回のうちほとんどを「疲れやすい呼吸」で過ごしている状態です。
私は柔道整復師として年間6,000名以上の患者様を施術し、遠方からも多くの方に来院いただいていますが、
実際に 呼吸の浅さ × 自律神経の乱れ × 首肩こり・頭痛 という関係は非常に多く見られます。
この記事では、浅い呼吸が自律神経にどんな影響を与えるのか、そして今日からできる改善法まで、やさしく分かりやすく解説します。

呼吸が浅いと自律神経が乱れる理由
呼吸は「唯一、自分でコントロールできる自律神経」。
浅くなった呼吸は、体に次のような影響を与えます。
浅い呼吸は“交感神経優位”をつくる
浅い呼吸になると、体は常に「戦闘モード」。
これは肩・首周りの筋肉が緊張し、横隔膜が十分に動いていない状態です。
✔ 心拍数が上がりやすい
✔ イライラしやすい
✔ 集中力低下
✔ 肩こり・頭痛
などが起きやすくなります。
胸郭の硬さが呼吸の浅さを生む
胸郭(肋骨まわり)が硬いと、深い呼吸が入りません。
🔗 参考記事:プロおススメの胸郭ストレッチ
《自律神経が整う胸郭ストレッチ3選|呼吸が深くなりストレスが軽くなる理由》
胸郭が硬い→横隔膜が動かない→呼吸が浅い→首肩こり・頭痛
という負のループに入ってしまう人は非常に多いです。
この負のループに入ると、首や肩をマッサージなどでほぐしても、
「その時は軽くなるが数日ですぐ戻る」という状態になっている場合が多い。
呼吸の浅さが“脳疲労”を生む
酸素が十分に入らないため、脳が疲れやすくなります。
その結果、
✔ 判断力低下
✔ 気分が落ちる
✔ 寝ても疲れが取れない
といった「なんとなくの不調」が増えます。

あなたの呼吸は浅い?簡単セルフチェック
以下に1つでも当てはまれば、呼吸が浅くなっている可能性大です。
- マッサージしてもすぐに首~背中のハリが気になる
- 口呼吸が多い
- 深呼吸しても7秒以上吸えない
- ストレスが溜まりやすい
- 姿勢が崩れやすい(猫背・巻き肩)
🔗 参考記事:猫背・巻き肩のセルフケア
《座ったまま簡単!巻き肩ストレッチ3選》
呼吸が浅くなる代表的な4つの原因
① 姿勢の崩れ(猫背・巻き肩)
肩が前に巻くと胸が潰れ、空気が入りにくくなります。
ランニングウォッチGarmin(ガーミン)で
正しい姿勢のときと、猫背の時の呼吸数を比較してみたのがこちら↓
② ストレスで呼吸が速く浅くなる
不安・緊張 → 呼吸が浅く速くなる → 自律神経が乱れる
というループはとても多いです。
③ スマホ・PC時間が長い
胸が固まり、首肩こりの原因にも。
成人であれば約5㎏程の頭ですが、
デスクワークなどで姿勢が崩れて頭が前に傾くと、頭の重さの4~5倍、なんと20~25㎏程の負担が、首や肩、背中にかかります。
④ 胸郭の硬さ
肋骨の動きが悪いと、深呼吸が物理的にできなくなります。
今日からできる「呼吸が深くなる」改善法4選
なにごとも継続が大切。なので、即効性のある、再現しやすい方法だけをまとめました。
「運動などあまり続かない」という方も、ぜひ一度はやってみてください。
① 1分でOK|胸をひらくデコルテストレッチ
- 壁に対して横向きに立ち、肩の高さの壁に肘をあて、手のひらまで壁につける
- 半歩前に出て、身体を壁と反対側に軽くひねる
- 胸の前側が伸びていればOK。そのまま1分。
実際の患者様でも非常に効果が高いストレッチ。テレビを見ながらでもできる簡単ストレッチ。
巻き肩・猫背にも効果的で、デスクワークなどで縮こまった胸の筋肉のストレッチ。
② ブレイシング|腹圧を高めて“呼吸しやすい身体”をつくる
呼吸が浅い人の多くは、
胸だけで呼吸して「お腹(体幹)が使えていない」状態です。
そこでおすすめなのが ブレイシング(腹圧を360°均等に高める技術)。
● ブレイシングの効果
- 横隔膜の動きが改善して呼吸が深くなる
- 自律神経が安定しやすくなる
- 姿勢の崩れが整う
- 腰痛予防にも効果大
● やり方
- 仰向けで寝て、4秒鼻から吸って10秒口から吐く腹式呼吸を行う
- 息を吐く際に、お腹をへこませず、風船を膨らませるイメージで「お腹の外側全部」へ空気を送る
- 背中・脇腹・下腹の全方向に圧が入っているか確認
- 3回ほど繰り返す
※ 注意:ドローインのようにへこませない
● 患者様でも改善報告多数
特に「肩呼吸が抜ける」「呼吸しやすい」「首肩こりが軽い」という声が多い。
「反り腰」の改善にも効果的です。
ギックリ腰が癖になって繰り返す方にもオススメのエクササイズです。
③ 胸郭ストレッチ
首や肩のストレッチや背骨のエクササイズ。
詳細はこちらの記事でわかりやすく紹介しています↓
🔗 参考記事:自律神経が整う胸郭ストレッチ3選|呼吸が深くなりストレスが軽くなる理由を柔道整復師が解説
セルフケアの効果UP|柔道整復師おすすめ商品
ストレッチやエクササイズにちょっとしたツールを加えると効果UPが期待できます。
ストレッチポール|柔らかい胸郭を効率よくつくるマストアイテム
ブレイシングに慣れてきた方は、ストレッチポールを使いながら行うことで更に効果UP。
違いのポイントはポールの硬さ。
硬すぎたら痛い、柔らかすぎると安定しない。私が実際に患者様への運動指導で使用しているオススメなのがこちらの2つ。
自分の硬さがひどそう方は半円のものから試すのがおすすめ。円柱状のもので心地よくできるくらいの柔軟性を目指しましょう。
チェアクッション(骨盤サポート型)
座り姿勢の骨盤後傾を防ぎ、力が自然と抜ける姿勢づくりに。
デスクワークや車の運転が多い方におすすめ。
睡眠の質を上げる|呼吸と自律神経にダブル効果
短時間のお昼寝でも、睡眠ツールを使うことで、睡眠の質向上→自律神経安定→呼吸改善のループが生まれる。
スマートウォッチ|猫背・睡眠の質・自律神経バランスをチェック
実は、最近は 呼吸の浅さ・ストレス・睡眠の質 を自動でチェックできるスマートウォッチもあります。
たとえば ガーミン(Garmin) なら、
「ストレススコア(自律神経の状態)」「呼吸数」「睡眠の深さ」などが毎日記録され、
“自分の呼吸が乱れやすい時間帯” や “回復しにくい日” がひと目でわかります。
本記事では詳しく触れませんが、
呼吸のクセや自律神経バランスを“見える化”したい人にはかなり役立つツールです。
後日、猫背・睡眠の質・自律神経チェックをまとめた記事で詳しく解説します。
🔗 参考記事:自律神経のバランスを見える化
《Garmin HRVステータスとは?平均値・見方・上げ方まで徹底解説【低い時の原因と改善策付き】》
まとめ
呼吸は、私たちが1日2万回行っている“自律神経のスイッチ”。
呼吸のみが自分の自律神経へ直接アプローチできる唯一の方法です。
浅い呼吸のまま生きていると、疲れは取れず、肩こりや頭痛、ストレスの許容量まで下がってしまいます。
でも逆に言えば、呼吸さえ変われば、あなたの体調と気分は大きく変わる ということ。
- 深い呼吸
- 柔らかい胸郭
- 整った自律神経
この3つが整うと、身体が軽くなるだけでなく、
「気分が安定する」「眠りが深くなる」「疲れにくい体」へと自然に変わっていきます。
今日の気づきが、あなたの毎日の生活をラクにするきっかけになりますように。

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